ご挨拶

理事長 和田 英浩

 平素より、当協会業務につき、格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
 さて、令和6年度も、能登半島で発生した9月の豪雨被害をはじめ、政治、経済、災害等多岐に亘り重大な出来事があった年となりました。特に夏以降の米不足は社会問題となり、単なる価格だけの問題にとどまらず、食料安全保障や農業政策に関する重要な課題を浮き彫りにしました。
 一方、日本経済においては、物価上昇や個人消費の低迷等の課題はあるものの、全体として緩やかに回復してきています。春闘では高い賃上げ率を2年連続で達成し、実質賃金の改善が図られるとともに、労働力不足から雇用環境も改善傾向にあることに加え、「働き方改革」と言われる取組みも社会に定着してきており、勤労者を取り巻く環境の変化が見られました。
 このような状況の下、当協会におきましては、事業計画で掲げた課題に取り組み、保証機能を通じた社会的役割の発揮に努めてまいりました。その中で、令和6年度も勤労者福祉資金融資制度を幅広く北海道民に知ってもらうために、ラジオCMを実施しました。新規件数は若干増加し一定の効果があったものの、低調な利用状況から脱するまでには至っていません。
 事業実績につきましては、保証債務残高の減少により減収となりましたが、事業運営には懸念がなく、課題の遂行も概ね順調であったと判断しております。今後も求償権比率の一定の増加が予想されますので、管理体制を強化するとともに適切に引当金を充当するなどして万全を期していきます。
 令和6年度の事業遂行にあたりまして、北海道や市町村をはじめ、各金融機関、労働団体および福祉事業団体等の皆様にご協力・ご支援を賜りましたことに深く感謝申し上げます。
 令和7年度は、実質賃金の改善による個人消費の回復が見込まれる中、米国の相互関税政策の発動や中国の経済成長の鈍化、中東情勢の不安定化等による雇用の喪失や景気後退の可能性も出てきてはいますが、これからも働く人とその家族が安心して生活できる共生社会の実現に向け、役職員一丸となって、保証機能を通じた社会的役割の発揮に努めてまいりますので、今後とも皆様の変わらぬご支援、ご協力をお願い申し上げます。